🌏 世界の知恵をめぐる旅①

シリーズ世界の知恵をめぐる旅

仏教・哲学・神秘思想・科学から見る「すべてはつながっている」という教え

はじめに

このブログでは、これから毎週、世界中の宗教・哲学・神秘思想・科学の知恵を一緒に学びながら、世界の見え方が変わる旅に出かけたいと思います。

私たちが日々感じる悩みや不安、社会で起こる分断や争い…。
その背景には、「自分」と「世界」、「他者」と「自分」など、さまざまな分離した見方が影を落としているのかもしれません。

でも、世界中の先人たちは、時代も場所も超えて、共通のメッセージを伝えてきました。

「すべてはつながっている」 ということ。

この連載では、毎週この「世界の知恵」を一緒に学びながら、調和的な視点を育んでいけたらと思います。

第1回はその入り口として、仏教・哲学・神秘思想・科学の4つの視点から「つながりの教え」を探っていきましょう。


仏教に学ぶ|人生の苦しみと「つながり」の真理

仏教は「苦しみ」を正面から見つめ、その原因と解決法を明らかにした教えです。

その核心が「四諦(したい)」という4つの真理。

  1. 苦諦(くたい):人生は思い通りにならず「苦」である
  2. 集諦(じったい):「苦」の原因は「欲望・執着」が積み重なったもの
  3. 滅諦(めったい):原因を滅すれば、苦しみは消える
  4. 道諦(どうたい):苦しみから解放される方法が「八正道(はっしょうどう)」

八正道(はっしょうどう)とは?

八正道は、具体的な8つの実践法です。

8つの実践法内容
正見(しょうけん)正しく物事を見る(真理を理解する)
正思惟(しょうしゆい)正しく考える(思いやり・慈しみの心)
正語(しょうご)正しい言葉を使う(嘘・悪口を避ける)
正業(しょうごう)正しい行いをする(人を傷つけない)
正命(しょうみょう)正しい生き方・職業(他者を害さず、社会に調和する仕事)
正精進(しょうしょうじん)正しい努力をする(怠けず、継続して善い行いを積み重ねる)
正念(しょうねん)正しく心を保つ(日常的な気づき・マインドフルネス)
正定(しょうじょう)正しく心を集中する(瞑想による深い集中と安定・禅定)

そして、この実践の背景には「縁起(えんぎ)」という思想があります。

縁起とは、「すべては原因と条件によって生じており、単独で存在するものはない」という教え。

私たちの存在は、両親、社会、環境、すべての「縁」が重なり合って成り立っています。
つまり、私たちは初めから「つながりの中」に生きているのです。

中道(ちゅうどう)という「ニュートラルな生き方」

さらに仏教は、「中道(ちゅうどう)」という生き方を大切にしています。

それは、快楽にも苦行にも偏らず、「ちょうどよい」バランスで生きること。
日常の中で、私たちは「もっと欲しい」「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い詰めたり、逆に「どうでもいい」と投げやりになったり、振り子のように極端に揺れ動きがちです。

でも、仏教はそのどちらでもなく、内なる調和と社会との調和を両立させる道を示しています。

これは、私自身が取り組む事業 「be neutral」 の理念とも重なります。
外側の評価や社会の常識ではなく、自分の内側にある「本来のありたい姿」を探す旅。
そのヒントが、ここ仏教にもありました。


哲学に学ぶ|「問い続けること」の大切さ

紀元前のギリシャで、ソクラテス という一人の哲学者が「無知の知」という言葉を残しました。

「私は、自分が知らないことを知っている。」

彼は「正解」ではなく、「問い」を大切にし、相手との対話(問答法)を通じて、自ら考え、自ら気づくことを促しました。

これは、現代にも通じる姿勢です。
私たちは常識や情報に囲まれて、「自分で考えなくても正解が手に入る」と錯覚しがち。

でも、本当に大切なのは、「問い続けること」で自分なりの気づきを得ることかもしれません。


神秘思想に学ぶ|宇宙と自分はひとつ

インド最古の聖典『リグ・ヴェーダ』では、宇宙そのものが聖なる存在として詠われています。

そこから生まれた思想に、

  • ブラフマン(宇宙の根源的な存在)
  • アートマン(個人の真我・魂) という考え方があります。

そして、これらを「梵我一如(ぼんがいちにょ)」と呼びます。

「私」と「宇宙」は、本来同じものだった。

この気づきが、輪廻転生の苦しみから解放される「解脱(げだつ)」につながるとされます。


科学に学ぶ|現代物理学が示す「つながり」

最後に、科学の世界でも興味深い示唆があります。

20世紀、物質の根源を探る中で生まれた量子力学は、私たちが見ている世界が固定された物質ではなく、エネルギーと確率の「波」のようなものであることを示しました。

観測するまでは「存在が確定しない」
つまり、「存在」は私たちが「見る(観測)」ことによって確定するのです。

ゆえに、世界の根源は「エネルギーの波」であり、
私たちと世界の「関係性の場」である可能性も示唆されています。

科学もまた、「すべてはつながりの中にある」ことを教えてくれているのかもしれません。


おわりに|私たちにできること

仏教、哲学、神秘思想、科学。
一見まったく違うアプローチに見えますが、どれも「世界はつながっている」という視点を伝えているように思います。

私たちも、自分と世界、自分と他者、自分と自然…
あらゆるものとの「つながり」に気づくことで、苦しみや不安、分断から自由になれるのではないでしょうか。

この連載では、これから毎週、このような投稿を続けていきます。
世界の知恵を一緒に学んでいきましょう!


あなたは「すべてがつながっている」と聞いて、どんなことを思いますか?

ぜひコメント欄で感想を聞かせていただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

↓次週:キリスト教・哲学・科学が示す「世界の本質」↓

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