まずは自分を満たすということ|自灯明の教えに学ぶ、本当の優しさの始まり

暮らしの哲学

人を思いやることは美しい。けれど…

人を思いやることは美しい。
けれど、気づけば疲れていたり、イライラしてしまうこともある。

「誰かのために」と思って動いているはずなのに、なぜだろう?
そんな違和感から、ある気づきにたどり着きました。
――自分を満たすことを、どこかで後回しにしていたのではないかと。


自灯明という視点|まず、自分の灯火をともす

仏教の言葉に「自灯明(じとうみょう)」というものがあります。
他を灯りとせず、自らを灯りとせよ”という意味で、
自分の中に拠り所を見出すという在り方を説いています。

誰かを照らそうとするなら、まず自分が灯っていなければならない。
これは単なる精神論ではなく、生きるうえでとても実践的な知恵だと感じます。

空っぽの器からは何も注げないように、
自分の心に余白や温かさがなければ、
優しさは無理をして絞り出すものになってしまうのです。


満たすことは「奪うこと」ではない

まずは自分を満たそう」という言葉に、
どこか自己中心的な印象を抱く人もいるかもしれません。

けれどここで伝えたいのは、誰かから奪ってでも自分を優先せよということではないということ。

外に満たしてもらおうとするほど、心の軸は他人に揺さぶられやすくなります。
だからこそ、外の評価に頼るのではなく、自分の内側にある静かな充足感を育むことが大切です。

本当の意味で満たされている人は、
誰かの言葉や態度に左右されすぎることなく、
静かで確かな感覚の中に身を置いているように思います。

こうした感覚は、心理学では「安定した自己肯定感」、
脳科学では“安心感をもたらすセロトニン”の働きと関連しています。

外の刺激ではなく、自分の内側から穏やかに湧き上がる満足感が、
心の土台を整えてくれるのです。

↓以下の記事ではこれらに関連する「自己受容」について解説しています↓


優しさの順番を変えてみる

誰かのために何かをしたいと思う気持ちは、きっと本物。
けれどその“優しさ”が、本当の意味で届くものであるためには
まずは自分自身が穏やかで、満たされていることが必要です。

だからこそ、遠慮せず、自分を大切にすることから始めてみたい。

  • 自分を責めるよりも、自分をいたわる時間をつくること
  • 自分を否定するよりも、自分に耳を傾けること

それは結果として、周りの人たちにもやさしく手を差し伸べられる
あふれる優しさ”の源になるのではないでしょうか。


おわりに|あなたの灯火は、ともっていますか?

まずは自分を満たすというステップは、
誰かを幸せにしたいと願う人にこそ、必要な選択なのかもしれません。

あなたの灯火は、今、しっかりとともっていますか?

その光は、きっとあなたのまわりをやさしく照らしていくでしょう。
自分を満たすことは、巡り巡って世界をあたためることにもつながっていきます。

今日もあなたの中に、小さなあかりが灯りますように。

↓ストア哲学に学ぶ、コントロール出来ないものを明確に分ける大切さ↓

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